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科学リテラシーとは?

科学リテラシー

科学リテラシーとは、OECD-PISAでは「疑問を認識し、新しい知識を獲得し、科学的な事象を説明し、証拠に基づいた結論を導き出すための知識とその活用」とされ、それを細分化すると次のようになっています。

1.科学の成果としての知識を用いて、現象が理解でき、生活に生かせる
2.科学の研究方法に従って、妥当な結論を導き出すことができる
3.科学の意義を認識し、その社会的な有効性と限界とを評価できる

本サイトにおける科学とは、単に自然科学のみを指すのではなく、経済学を代表とする社会科学や、心理学を代表とする人間科学も広く含めています。そうした科学には、共通して科学的方法論が使われています。

科学的方法論は、研究対象を描写する理論を立て、その理論によって将来の観察や実験の結果を予測する形になっています。かりに理論による予測と実際のデータが合わない場合は、理論を変更していくことになります。この科学的方法論を適切に使えば、研究対象の未来を予測して、人類の福祉に適合するように未来を変革する可能性が拓けます。

本サイトでは、この科学的方法論をマスターして、各科学分野の研究が「どの程度科学的方法にのっとって進められているか」を判断できる力を磨きます。この判断力によって、単なる耳ざわりのよい言葉に惑わされることなく、批判的な思考を発揮できるようになるでしょう。科学リテラシーとは、まさにこうした「科学の体裁を持ったものから疑似科学を見抜く力」の養成から築かれるものと考えています。

今後の民主主義文明の発展に向けて、多くの市民が科学リテラシーをはじめとした、より良き社会を築くリテラシーを身につける必要性が指摘されています。まずは、興味を持てる教材から取り組んでみましょう。



参考文献

  1. 楠見&道田『批判的思考~21世紀を生きぬくリテラシーの基盤』新曜社