幽体離脱(Out-of-Body Experience)
肉体から意識だけが抜け出して宙に浮き、上から自分の身体を見おろすような体験のことで、金縛りに伴って体験されることが多く、かつては自分の魂が抜け出して幽霊になった状態と解釈されていました。今では、生理学的に明瞭な説明がされており、体脱体験と呼ばれています。
日常の意識状態において、多くの人は身体の位置に意識があると感じています。しかしそれは、そう感じた方が便利だからそうなっているにすぎず(身体が視覚や聴覚の拠点のため)、最近の仮想現実の技術を使えば身体を離れた位置に意識を感じさせることもできます。 自分の身体を上から見おろすような体験をすることについては、夢で見た内容の誤認と判断できます。その点で、明晰夢の精神状態と類似しているとも考えられており、金縛り状態や、怪我で身体が動かない場合に、とくに身体の外に意識を位置づける傾向が高くなるのもうなずけます。