トップダウン認知(Top-Down Cognition)

たとえば視覚の認知において、外界から来る視覚情報は、明るさ、色、線の方向、奥行き、運動などの諸要素に分かれた後、それらが統合され、ボトムアップ的に高次の認識に至ります(形→物体→走る動物など)。しかし、茂みに隠れた動物を発見するには、ボトムアップだけではうまくいきません。

というのも、その動物の情報がすべて完全に得られるわけではないからです。そのため、記憶にあるその動物の典型的な情報を部分的に照合して、トップダウンで「動物が隠れている」と判断する認知機構が働きます。また、ときにそれが、ありもしない幽霊の目撃にもつながります(パレイドリア)。