単純接触効果(Mere Exposure Effect)
単純接触効果とは、はじめは全く興味のなかったことでも、繰り返し接すると好感度が高くなったり印象が強くなることをいいます。
初めて会ったときは苦手だった人や、全く興味のなかった音楽なども、何度も接していくとそのうちに好感度が高くなっていきます。テレビCMや選挙カーの街宣などはその最たる例といえ、テクニックの一つとして広く使われています。CMでよく見る商品のほうが「良いもの」だと思って購入したくなるのも、単純接触効果によるところが大きいでしょう。
狩猟採集時代に人類は100人くらいの小さな集団で協力して生活していたので、周囲の人を協力相手であると思う傾向や、周囲の人の行動をまねる傾向が進化しています。だから、よく見かける人を味方だとして親近感を覚えたり、周りで使っている道具を「よいもの」と感じたりするのも当然なのです。
疑似科学の分野では、主にサプリメントなどの健康食品の広告において、この効果が上手く使われています。「良いもの」が宣伝されているのではなく、宣伝されているから「良いもの」に見えるのだということを、一度意識してみましょう。