症例対照研究|ケースコントロール研究
症例対照研究とは、ある時点で特定の病気にかかっている人と、年齢・性別などの条件が同じで病気ではない人を比較し、その病気と関連する疑いのある要因を過去にさかのぼって調査する手法のことです。「原因は、必ず結果の前にある」ことを利用した研究方法といえます。症例対照研究では、「思い出しバイアス(被験者の過去について質問をしたときに、思い出し方が質問者や質問法によって異なることによって起きるバイアスのこと)」が問題となりやすいため、その点に注意が必要です。
症例対照研究は、めったに起きない病気の要因を推定する場合や、早急に因果関係の推定が必要な場合に有用な研究方法です。
たとえば、ある病気に罹患する要因を調べたい場合、その病気が10万人に1人しかみられない病気だと、サンプルを確保するだけで難しいでしょう。さらに、そこからリスク要因を推定するのも、より困難となります。
こうした時に、あらかじめその疾患に罹患している人(症例群)を集め、罹患していない人(対照群)と過去にさかのぼってその要因を比較することによって、病気などのリスクを容易に推定することができるのです。ただしこうした場合、症例群(対照群)の唯一の共通特徴が「その疾患があること(ないこと)」となるように注意せねばなりません。