理論負荷性(Theory-Ladenness)

理論負荷性とは、科学哲学における概念のひとつです。哲学者のハンソンによって提起されました。観察は、理論と無関係に行なわれるのではなく、理論をとおして観察が行なわれるという考え方です。

一見すると観察とは、理論に先立って行われ、理論の影響を受けないものと思われます。直観的には、ありのままに世界を捉えるものが観察であると思いがちです。しかし、観察とは背景となる知識によって形作られ、知識を背負うものなのです。

たとえば、下の図1を見たとき、ふつう「後ろを向いている若い女性」に見えるはずです。しかし、この図のカラクリを知っている人に「高齢の女性の横顔が見えてくる」と教えられ、しばらく見ていると「老女の横顔」が浮かび上がってきます。

このように、観察は理論から切り離すことができず、理論によって影響されます。そしてこれは、ヒトが概念を形作る方法でもあるのです。

図1