補完代替医療(Complementary and Alternative Medicine;CAM)|統合医療

補完代替医療とは、現代の西洋医学に基づいた医学では受け入れられていない医療行為の総称です。医学部で広く教えられることのない医療、また、通常の病院で実践されていない医療行為を意味しています。米国などでは一般にcomplementary and alternative medicine(CAM)と呼ばれており、最近では、統合医療という別の言葉も使われていますが、おおむね同じ意味です

厳密に何が補完代替医療なのかという区分は難しいところですが、国民皆保険制度を採用している日本では、「保険適用外」の医療行為は基本的にこれに含まれると考えてよいでしょう。具体的には、中国医学(漢方の一部、指圧、鍼灸など)、アロマセラピー、磁気療法、カイロプラクティック、温泉療法、アニマルセラピー、食事療法、サプリメント、ハーブ療法などが該当します。

補完代替医療とは、現代の西洋医学に基づいた医学では受け入れられていない医療行為の総称です。医学部で広く教えられることのない医療、また、通常の病院で実践されていない医療行為を意味しています。米国などでは一般にcomplementary and alternative medicine(CAM)と呼ばれており、最近では、統合医療という別の言葉も使われていますが、おおむね同じ意味です。

厳密に何が補完代替医療なのかという区分は難しいところですが、国民皆保険制度を採用している日本では、「保険適用外」の医療行為は基本的にこれに含まれると考えてよいでしょう。具体的には、中国医学(漢方の一部、指圧、鍼灸など)、アロマセラピー、磁気療法、カイロプラクティック、温泉療法、アニマルセラピー、食事療法、サプリメント、ハーブ療法などが該当します。

補完代替医療の多くは、通常の西洋医学に基づいた医療とは別の歴史をたどってきました。そのため、うたわれている効果に対して根拠が不明なまま、伝統的に語られているだけのものもあります。

現代の西洋医学はめざましい成果をあげていますが、通常医療では完治しない病気――特に慢性疾患の中には治癒することも症状を緩和させることもないもの――がまだまだあり、生活に希望がもてない患者さんも数多くいます。通常医療の機械的で人間味のない側面が、ときに患者さんの苦しみに変わることがあり、医薬品の強い副作用も不安の種になり得ます。

一つ、こうした不満の受け皿として、補完代替医療が機能しているといえるでしょう。おそらく世界で最も有名な医学書である『ハリソン内科学』(福井次矢・黒川清/日本語編集、メディカルサイエンスインターナショナル、2009年[第3版]、65ページ)には、「補完代替医療が人々の興味を引きつけるのは、施術者が楽観的であり、患者と言葉を交わし触れることに時間をかけることで、多くの人々に訴えかけるからである」とあります。補完代替医療には効果が十分に実証されていないものも多いのですが、QOL(quality of life=生活の質)に配慮し、患者さんに寄り添うことで人々に受容されてきたようです。

他にも、「多くの補完代替医療で用いられる“自然の製品”が通常医療で用いられる“人工の製品”よりも本質的に健康によい」と一般に信じられていることも、補完代替医療の魅力の一つとなっています。医薬品の副作用を過度に忌避する傾向も、ここから生じているのかもしれません。

しかし、“自然の製品”が人体に有害な場合もあることも、同時に認識しなければならないでしょう。イチョウ、トリプトファン、マオウ、セントジョーンズワートなど、有毒な成分を含んでいる自然由来の製品が用いられたり、鍼灸の鍼の再利用によってB型肝炎が引き起こされたりと、補完代替医療を受ける場合にも、その安全性には常に気を配る必要があります。

さて、医療行為全般において、治療を受ける側にとっての重要な要素は、①効果はあるのか、②安全なのか、③費用はいくらかかるのか、におおむね区分することができます。これは補完代替医療に限らず、すべての医療行為に共通する要素といえるでしょう。

理想は、各要素を正当に評価し、もっとも自分に合った医療を選択することですが、これには当然、膨大な労力が必要になります。そのなかで通常医療では、この労力を医療従事者に「丸投げ」することができます。つまり、基本的には「専門家である医師や看護師などの医療従事者の言うことをよく聞く」という態度を貫けば、少なくとも“そこそこよい”医療行為を受けることはできるのです。

しかし、補完代替医療を選択する場合はそうはいきません。“何がよいのか”を自分自身で選ばねばならない要素が遥かに多いのです。「補完代替医療では、患者自身に健康に関する選択を行わせる」(前掲書、65ページ)と書かれているように、医学的なエビデンスや費用対効果、安全性などを総合的に考え、自分に合った医療を自分で選択する、というのが良くも悪くも補完代替医療の特徴だといえます。

そして、このような判断の難しさから、補完代替医療では、“身体的、経済的に大きな負担をかけながらも続ける人”がいれば、“上手く折り合いをつけながら続ける人”もいるという、極端な両者が混在した状態となっていると推測されます。

最後に、前述のような総合的な判断のもと、通常医療と補完代替医療を組み合わせることを勧める考え方を含んでいる医療のことを、特別に「統合医療」と呼ぶ傾向もあります。