お蔵入り効果(File-Drawer Effect)|出版バイアス
ある仮説を支持するデータを集めようと、実験や調査を企画して実施したところ、肯定的なデータが得られなかった場合、研究者は失敗したと思い、そのデータを引き出しにしまいこんでしまう傾向があります。これを「お蔵入り効果」、あるいは英語を直訳して「引き出し効果」と呼んでいます。
一方、肯定的なデータが得られると、研究者は成功したと思って、データを積極的に発表します。そのため、実際には偶然変動で肯定的なデータが得られたり否定的なデータが得られたりしていても、肯定的なデータのみが公になっていることから、肯定的な効果が実証されているように見えることがあります。この「肯定的なデータのみが公になっていること」を指して「出版バイアス」と呼ぶこともあります。
多くの研究が発表されていれば、メタ分析によってお蔵入り効果の度合いを推定することもできます。そのため、多くの追試の研究がなされていることが、真の効果を知るうえで非常に大切です(再現性)。